ターヘル・アナトリア(東京見聞録)2

しばらくすると、めるぽんさんが来た。そういえば指定されたのは確か階段降りたところだっけ…また間違えたのか…なんかもう自分がどうしようもない。階段を降りると、id:wraith13 の道化師さんと、 片手にC++ Templatesを提げた id:uskz さんがおられた…なんという一致。会って第一声が「ごめんなさい」とかほんとうにもうごめんなさい。挨拶を済ませると、翌日のセッションの用意のために道化師さんは帰られた。残りの人達は途中で待っていた id:faith_and_brave のアキラさんとも合流し、委員会の懇親会?会場へ向かう。
会場に来てとりあえず挨拶をすると、目の前の方から即座に挨拶がかえってきた。だいたいは始めてお会いする方で、誰が誰なのかはよく分からなかったが、その挨拶の主がhitoさんだとはすぐに分かった。分かったけど、分からなかった。すごい勝手な想像で申し訳ないが、星一徹みたいな人だとばかり思っていたので、内心は驚いていた。本当に勝手な妄想で、酷すぎる。かく言う私も、文面からは日本語が不得意な日本人の亜種にしか思えないし、twitterにpostするのも会話もその調子だし、ということは私はその通りの人間だ。どうでもいい。ところでhitoさんはやはりというか神保町に行ってらしたようで、大量の本を買いこんでいた。ブログタイトルは伊達ではなかった。宴で話した内容はよく覚えていない。会話中に逐一メモるとか無粋すぎるし、アルコール入ってきてそんな気分ではなかった。しかし取っていたような気もする。覚えてる限りでは、本物のプログラマはHaskellを使うでお馴染みのshelarcyさんがHaskellについて話してはったのと、めるぽんさんとhitoさんによる自衛隊トークが繰り広げられていたことだろうか。
何時頃かに一旦居酒屋を出て、帰る組と二次会で別の店へ行く組に分かれた。二次会もあまり覚えていないが、とりあえずめるぽんさんがmpl::stringで、Coroutineの機能を追加したコンパイルタイムC++コンパイラを一夜で作りあげたらしいという話を聞かせていただいた。早く公開することを希望します。一方私は、不動点演算子をBoostのFunctionとBindとLambdaを使って作ろうとしたが、結局型が合わなくて断念したけど、any使えばいけるんじゃないかとか思うけどそれはもうめんどくさくなってやめた、という話をした。決してプリプロセスタイムに不動点演算しようなどという狂気の話ではない。あとプリプロセッサプログラミング言語
あとこれはもう全く譲るつもりはないのでもう一度主張しておくと、自分が考えたことについて、答えに辿りつくまでの、間違ったことまで全て含んで記しておきたいのは同意するが、あくまでも思考の過程の間違いが重要なのであって、それを日本語で紙に記す際に発生する間違い、これはもう全然自分の記録しておきたいことに関係ないわけで、私はそれが異常に多い。席ではたしか8割ぐらいの確率で間違うと言ったが、真面目な話2、3文字に一回は間違うので、それだとまず内容自体を追うことが困難になるので、「誤字を消す」ために消しゴムが必要で、シャーペンだ、という話のつもりだったのだが、まぁ酔うていたし、適当な話になったような気がする。つまりそんなに間違わない人には関係のない話で、どうしようもない。
11時を回り、二次会もお開きとなる。バスの時間に間に合わなくなったhitoさんも一緒にめるぽんさん宅にお邪魔したが、御犬様であらせられるぽんぽん様は、私のことを大層気に召されたご様子で、私に踊りを命ずるや、同じように踊りに加わられた。私の下手な踊りなどでお楽しみいただけるとは、田舎者の一平民としてこれ以上の有り難いことはない。ところでhitoさんはPurely Functional Data Structuresという本に興味を持たれたようだったので、これを機に関数型プログラミングを始められるかもしれない。お風呂を借りて汗を流し、部屋に戻って汚れ物をカバンに詰め、チャックを閉めようとすると、その金具が破断した。私よりお前のほうが疲れていたのか…。とりあえずチャックの本体部分は無事だったので、無理矢理掴んで閉めておいた。そのあと、めるぽんさんによるBoost.Variantの変態さの講義が始まった。Andreiはもしかしたら偏執狂かもしれない。いやC++C++として使っている人間は皆そうなのか。この世のC++使いは2種類に分けられる。偏執狂のC++使いか、とても偏執狂のC++使いかだ。Andreiは後者に該当するだけであり、特に珍しいことではない。Destructorは例外を投げないという前提をするならば、Move Constructorも同じでいいのにと思ったのだが、私が同じような立場だと、当然それぐらいのコード、書きたいに決まっている。適当に夜も更けてきたので、寝た。
あくる日。時計を持っていなかったので時刻は分からなかったが目がさめた。しかし時刻は分からなかったのでなんとなくもう一度寝た。寝たのだが時刻は分からなかったのでこの旅の主目的であるFLTVに間に合うかどうか不安だし、あんまり寝られずすぐに起きたつもりだが時刻は分からなかった。そうこうするうちに私がもぞもぞしていたのが伝わったのか、hitoさんも起きた。そしてうだうだしたあと揃ってトイレにいった。すると御犬様もご起床なされたようで、朝から元気なご様子を拝見させていただくことができ、誠にありがたき幸せであった。御犬様のはしゃぐ声により、めるぽんさんも起きられた。どうやら8時半だったらしい。おぉ、そんなに早かったのか…どのみちしゅごキャラも見れないので寝ることにした。が、結局うだうだしているうちにFLTVへ出発の時間が迫ってきた。ところが昨日の夜から股ずれをこじらせていためるぽんさんは、スパッツがなくて大変困っていた。内股は皮が薄く、このまま放置していると出血する恐れがある。股から出血となると、傍からみればお赤飯にしか見えない。ことは一刻を争うので、目的地に行く前に、駅近くのイヅミヤに立ち寄り、スパッツを買うことになった。その間私とhitoさんは、その近くのコンビニATMで資金を降ろしたのだが、よく見ると私のキャッシュカードは割れていた。よく認識できたな。面倒なので使えなくなるまで見なかったことにした。今になって思えば、帰りの新幹線代降ろせなかったらどうするつもりだったのか、考えるととても恐ろしい…。どうやら見事すぱっちゅを手に入れ、おそらく店の中で穿いてきたと思われる、上機嫌なめるぽんさんと合流し、コンビニで食料を調達してから地下鉄の駅に向かった。FLTV会場最寄り駅に到着し、hitoさんは再び神保町へ行くよう。まだ本を買うとかすごいなぁ…本を読むし、本で筋トレだし、色々修行してすばらしい。神保町へ向かうhitoさんと別れ、FLTV会場を目指す。ややこしいかと思われたが、案外そうでもなく、着いた。
肝心のFLTVの内容については、これはもう他の、もっと教養も分別のある大人の皆さんの感想を読んでいただいたほうがいいと思うし、なんかちょっと小難しいことを書こうにも全然思いつかないので止めておく。本当に感想的なところでいくと、らんはさんはとてもらんはさんだった。なんかこう日本語じゃないなぁって思った。日本語じゃないっていうのは、私みたいに使っている言語が支離滅裂なよくわからないようなことを言っているんじゃなくて、もう日本語外に存在する何か的なものも持ち込んで話している感じがして、すごいなぁ。あと発表の流れとして「みなさんも考えましょう」じゃなくて、本当にスライドが出来てなくて、進行しながら作っているあたり、すごいなぁ。
ところで当初19:30で終わるはずだったのが、ラストのkinabaさんのセッションが始まるころには既に20:30だった。しかしkinabaさんのセッションを見ずの帰ることは、私には選び難い行動だった。予定を変更し、夜行バスで帰ることにした。セッションはとても面白かった。説明がうますぎて、なんかもう多分本当は狐10ぴきぐらいにつままれて、鼻と口とかもつままれてるかも知れないのに、全然そんな感じはなくて、説明がうますぎると思った。全セッションの後、C++クラスタの皆さんでちょっと話していた。とりあえずBOOST_PP_AUTO_RECについては書こうと思っているけど、あれは動機付けから入らないと全然価値が分からないし、動機付けで取り上げる内容自体もそれなりにめんどい。どうしたものか…。ただプリプロセッサによるメタプログラミングというのは、細かいところだけ取ってみれば変態ここに極まったりしているが、全体から見るとただの関数型プログラミング言語なので、特に難しいことはない、と思っているけど、賛同を得るのはどうやら難しい…。
11時も過ぎたので、帰ることとなった。C++御一行は会場を出たのだが、出てからkinabaさんに挨拶し忘れていたことに後悔した。無念。東京駅まで戻ると、とりあえずバスの切符売り場で大阪行きのバスの切符を頼んでみたのだが、既に完売していた。これは困った。だが困っているだけでは仕方がないので、とりあえず朝一の新幹線で帰ることにし、朝にドタバタしないよう、すぐに切符を買った。あとは宿である。この日もそれなりにくたびれていたので、あくる日早く起きなければならないのは避けたかったので東京駅からなるべく離れないで宿を確保しようと、とりあえずネットカフェを探して回ったのだがこれが全く見つからない。新大阪にはあったのに。そう思いつつ、時刻は0:25。何故か私は秋葉原に向かい、雨の中、深夜の秋葉原を探索した。もちろん店は全部閉まっているが、なんか日本橋と違ってストリートっぽくない、というか秋葉原がストリートだなんて誰も言ってないけど、一角って言うといい感じなところだった。適当に周辺を歩き、駅に戻ると外回りの終電が来た。これを逃すと私は東京駅に戻れなかったということである。恐ろしい。
東京駅に戻った私は、ネットカフェを探して回ったときに見つけたカラオケ屋に行った。本当は近くにカプセルホテルがあったのだが、ケチった。部屋に入って、旅のメモを見つつ途中を補記したり、疲れて寝たり、もう明日は休みにすることを閣議決定したり、はっと起きて、でも時刻が分からないので不安になりつつもちょっと元気が出たので歌ったり、適当すぎて楽しくなってきたりするなどした。ネットがないほうが頭の回っている時間が長いし、これはこれで好きなのだが、まぁ依存症なのでネット無しは地球破壊爆弾ものである。
時間を潰し、店の内線で閉店のお知らせが来ると、再び東京駅へ向かった。時刻は5時、改札は5時半に開くらしいのだが、既に周りには何人か人がいた。割と外国の人が多い。さすが首都、インターナショナルさが違う。私の地元はOsakaなど、色んな地域の人がOsakizeされてしまう感じなので、それはなんか国際色じゃない。だらだらと駅の前でへたりこんでいると、改札が開いた。すかさず切符を通してホームに上がった。6:00発の博多行きと、6:04発の新大阪行きがあった。安全に行くなら寝てても乗り過ごすことのない新大阪行きのほうがよいのだが、そこは博多行きの始発であるべきだと思い、しかし何故そう思ったのかは分からないが、とにかく始発に乗った。発車するまでの間、なぜだか行きにはなかった謎の緊張感が高まってきた。が、出発するや、私は寝入ってしまった。寝入ったといっても、寝過ごす不安感からか、頻繁に目を覚ますので、かえって疲れてきている気がした。新大阪を寝て通過することなく、降車できたので、面白いことは無い。
終わり