風呂上がり

に、アイスを食いたくなったので、コンビニに行こうと外に出た。のだが、風呂上がりに外を歩いているとなんか銭湯帰りを思いだしたり、この時期の夜は風呂上がりに丁度いい気温というのもあって、突然散歩したくなり、コンビニとは反対方向から、そのまま一区画をぐるっと周って行くことにした。半引きこもりを自負している私としては不本意だが、まぁたまにはいいだろうとぶらぶら。昔はそうでもなかったのだが、最近は物騒な話をよく聞くせいか、どうも閑静な夜道を歩くのはかえって落ち着かない。霊的なものよりも人間のほうが怖いとはまぁ難儀な世の中である。歩いているうちに、いつだったか、どこだったか忘れたが、キャンプにて、夜眠れなかった私は、外に出てしばらく時間を潰したことを思いだした。そのときの周囲は、一寸先は闇という諺の言葉通りに、何も見えない暗闇の場所であった。暗すぎて立体感を認知することができない。闇のどこかから手が伸びてきて、私を連れていくかもしれない、とか、そんなことを頭の片隅で怖がりながらしばらく座りこんでいた。しかしそんな完全な闇よりもこんな明るい都会の夜道のほうが怖いというのは一体どういう了見か?もう少し安心して歩きたいものだ。
そんなことを思っているうちに広い道路に出た。少々気分が落ち着いたが、明るい。明るすぎる。空を見ても星一つ見えない。私の田舎は八尾だが、確か星の一つや二つは見えたはず。よくもあの明るい星を見えなくできるほどの照明を焚けるものである。と言いつつ、そんな照明の一片には当然私の部屋も含まれているわけだが。
ところで八尾は良い街である。特に私が住んでいた末広町は、中々によい。ここで「よい」というのは、ギャルゲーの舞台という意味で、である。駅周辺の雰囲気が非常にノスタルジックで、時間がゆっくりに感じられる。駅前の商店街は短く、1分あれば端まで歩けるだろう。最近は何やらマンションが建っていて大変よろしくないが、それはまぁ消えていただくか、主人公の一人暮らし部屋とでもしておこう。他の店としては、肉屋と魚屋、あと美容室に喫茶店がある。あぁケーキ屋もあったか。移動マップでの行き先には事欠かない。いやマップ狭すぎるか。多分「商店街」とかの括りでマップの1パーツに使える。最寄りの駅は近鉄久宝寺口駅で、隣の八尾駅のすぐ近くにはデパートがある。これもよいアイテム。こっちのほうはそれなりに賑いのあるところで、デートイベントならこのへんが良いだろう。あとは意外と近くにハイキングスポットがある。八尾の更に一つ隣、山本で電車を乗り換えて、信貴山口に向かえばそこから登山もできるし、ケーブルカーがあったので、それに乗れば上のほうまでは楽々行ける。これもイベントスポットとして使えるかもしれない。と、忘れていた。久宝寺口の駅から少し歩いたところに緑地がある。これもまたイベントに使うには持ってこいの場所だ。プールは確か…あぁ市民プールがあった。夏の定番イベントに。あぁ、八尾駅を少し過ぎたあたりにあった、正十二面体の建物はどうなっているのだろう?Google mapでは確認できなかったが。電車に乗って、その建物を過ぎたあたりから、なんか遠出してるな、という感覚にワクワクしてた気がする。あぁ忘れていた。私の住んでいた家の近所には公園があった。その公園というのが川に面していて、昔なら鮒か何かが泳いでいた記憶がある。幼馴染みと交わした子供の頃の思い出系のイベントが定番なスポット。とまぁこのように、少し行けば自然があったりそれなりな繁華街があったり、イベントを設定するには盛り沢山の素敵な街である。しかし残念なことに、私がかの地を離れたのは、小学校に上がる一年前のこと。なので、学校については全然知らない。それに、当時の私はとても小さかったので、末広町のうちでも知っているのはごく一部である。Google mapで確認したら、驚くほど狭い範囲だった。それでも当時の私からすれば十分に広かったのだろう。
ところで母の話によると、私には幼い頃、近所の銭湯に同じぐらいの歳の女の子の友達がいたらしいが、全然思い出せない。うーん自分にもそんなフラグがあったとは…。多分フラグとか考えている時点で何か根本的で駄目だ。もちろん当時そんなことを考えていたわけではない。
はて、何の話だっただろうか?